第1話:突然のご相談
「お願いしたいんです。」
それが、すべての始まりでした。
人通りの多い駅前にある、小さな店舗物件。
前の借主様が退去されてから、
約3カ月。
次の借主が決まらないまま、
時間だけが過ぎていた頃でした。
オーナー様が、
たまたま近くまで来られたその日。
ふと目に留まった、
小さな不動産屋の看板。
偶然のご縁も重なり、
その店舗募集をお手伝いすることになりました。
その場所は、
流行っている店もあれば、
長くシャッターが閉まったままの店もある。
空き店舗も少なくない一方で、
昔から愛され続けている店も、今なお残っていました。
ただ――
当時の私は、
店舗物件の経験が、まだほとんどありませんでした。
だからこそ、
知り合いを通じて、
賃貸に強い不動産会社の方に、
お力添えをいただくことになります。
今振り返っても、
本当に頭の下がる存在でした。
どんな相談にも嫌な顔ひとつせず、
いつも冷静に話を聞いてくださったことを、
今でもよく覚えています。
オーナー様が所有されていたのは、
壁一枚を挟んで並ぶ、二つの店舗。
最初は、
空いている店舗の募集相談から始まりました。
ただ、
何度も足を運ぶうちに、
もう一方の店舗についても、
少しずつ本音を打ち明けられるようになります。
長年借りておられる借主様とのこと。
そして、
「この先」を見据えたうえで、
普通借家から定期借家への切り替えはできないのか――
そんなご相談でした。
当時の私は、
わからないことばかり。
各所、信頼できる方々へ相談しながら、
手探りで進めていくことになります。
当時は必死でしたが、
今振り返ると、
“不動産は人と人の間に立つ仕事”
なのだと強く感じます。
そしてこの案件は、
私にとって、
忘れられない経験になっていくのでした。
(続く)
LIB代表
伊藤 美華
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