第2話:定期借家という難題
定期借家への切り替えについて、
私は本当に多くの方へ相談しました。
その中で、
「簡単な話ではない」
そういった助言をいただく場面もありました。
状況としても、
オーナー様と借主様の関係性やこれまでの経緯を踏まえると、
慎重に判断すべき案件であることは明らかでした。
それでも当時の私は、
最後まで向き合いたいと思っていました。
だからこそ、
仕事としての線は超えていると分かっていながらも、
やると決めた。
不動産屋としてではなく、
一人の人間として。
知人と呼べる関係でもなかったけれど、
それでも、あえて“知人として寄り添う形”で関わることにしました。
そして、
公証役場への同行も引き受けることになります。
ただ、
当日初めてお会いした借主様とのやり取りは、
想像以上に厳しいものでした。
言葉を交わす中で、
強い拒絶を感じる場面もあり、
人と人の間に立つ難しさを痛感しました。
契約書についても、
何度も確認しながら準備を進めていましたが、
最終的には、
既存の賃貸借契約書をもとに進むことになります。
気づけば、
時間も労力も、
想像以上にこの案件へ注いでいました。
けれど当時の私は、
“どこまで関わるべきか”
その線引きが、まだできていなかったのだと思います。
そして最終的に、
空いていた店舗は、
別の不動産会社を通じて決まりました。
正直、
心が折れそうになりました。
でも今振り返ると、
この経験から学んだことは本当に多かった。
定期借家への切り替えの難しさ。
人によって、
仕事への価値観が大きく違うこと。
そして、
不動産の仕事には、
どこかで「割り切る強さ」も必要だということ。
あの経験があったからこそ、
今の自分があるように思います。
(続く)
LIB代表
伊藤 美華
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